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因幡めぐりの旅

第7回 砂の美術館

  ―その作品、砂にして究極。
 「砂の美術館」はその名のとおり、砂を素材とした彫刻作品の野外美術館です。2006年の「イタリア・ルネッサンス」をテーマにした第1期展示は、全国で大きな反響を呼び、現在、「世界遺産・アジア編」をテーマにした第2期展示が行われています。
 観光客で賑わう鳥取砂丘の「砂の美術館」で、アジアの世界遺産を巡ってきました。
 ※砂の美術館第2期展示は平成21年1月3日(土)をもって終了いたしました。

兵馬傭(中国)

兵馬傭(中国)
  階段を上がると、目の前には地面に埋まった無数の兵隊の砂像が飛び込んできます。中国の世界遺産「兵馬傭(へいばよう)」は、秦の始皇帝の陵墓を守るように配置され、およそ8,000体が発掘されています。現在も発掘や研究、調査が続いており、そんな壮大な「兵馬傭」がまるで砂から発掘されているように眼下に広がります。


左:人頭有翼の雄牛像(イラク) 右:ペルセポリスのレリーフ像(イラン)

人頭有翼の雄牛像(イラク)
 古代にイラクの北部を中心とした繁栄したアッシリア王国は、メソポタミアからエジプトの全地域を統一し(紀元前8〜7世紀頃)、多くの文明、芸術が花開きました。宮殿の入口を守る人頭有翼の雄牛像はその時代を象徴する彫刻の一つです。今にも動きそうな力強い姿は砂像でも如実に表現されています。

ペルセポリスのレリーフ像(イラン)
  古代イラン、アケメネス朝ペルシア帝国(紀元前330年頃)の都の一つペルセポリス。アケメネス朝ペルシアは古代オリエントを統一し、広大な領地を支配下に置き、大いに繁栄しました。ペルセポリスは儀式用の都として建設されたと言われ、多くの石造やレリーフが並んでいます。紀元前330年にマケドリア軍のアレクサンドロス大王によって破壊されてしまいましたが、その遺構から当時の繁栄を伺い知ることができます。


古都アユタヤの遺跡(タイ)

古都アユタヤの遺跡(タイ)
 アユタヤ王朝は、1350年頃にウートーン王によって創設されたタイの中部を中心とした王朝です。18世紀のビルマからの侵攻によりほとんどの寺院や王宮が破壊されてしまいましたが、アユタヤ王朝の三人の遺骨が修められた聖骨塔や全長52メートルの涅槃仏(ねはんぶつ:寝釈迦像)などが現存しています。


左:カジュラホ寺院の壁画(インド) 右:エローラ石窟寺院とその彫刻(インド)

カジュラホ寺院の壁画(インド)
  9世紀から13世紀末のチャンデーラ朝時代にカジュラホでは80以上の寺院が建設されたと言われています。現在は約20の寺院が残っており、寺院群は東西南のグループに分けられ、ヒンズー教とジャイナ教に属します。官能的なレリーフ群も見られ、その柔らかい表情は砂像で見事に再現されています。

エローラ石窟寺院とその彫刻(インド)
 ピラミッド、アンコールワットと並ぶ世界に名高い世界遺産の一つ。切石を積んで造られたものではなく、岩山を削り、掘り出された寺院は一つの彫刻と言えます。中でもヒンズー教窟のカイラーサナータ寺院はインドでもその規模と彫刻の美しさで最高峰と言われています。砂像は、インドのカジュラホ寺院と対称的に造られ、現実の世界遺産では見ることのできないコラボレーションを堪能できます。


左:バーミアン大仏と石窟(アフガニスタン) 右:アンコールトム(カンボジア)

バーミアン大仏と石窟(アフガニスタン)
  アフガニスタンの北東にあるバーミアン遺跡は、1世紀ごろから石窟仏教寺院が造られたことが始まりと言われています。バーミアンに立ち寄った三蔵法師も「伽藍が立ち並び、僧侶の数は数千人にのぼり、大仏は黄金に輝いていた」と記録を残しています。しかし、2001年タリバンにより壊滅的な被害を受け、東西の大仏も爆破されてしまいました。今では見ることのできない破壊される前の黄金に輝いていた大仏が砂像で復活しています。

アンコールトム(カンボジア)
  12世紀後半、アンコール王朝時代にジャヤヴァルマン7世が建設した城砦都市。アンコール遺跡の一つとして世界遺産に登録されています。3kmも及ぶ堀と8mの城壁に囲まれており、その中央には「クメールの微笑み」と呼ばれる観音菩薩4面塔の寺院跡(バイヨン)があります。砂像の観音菩薩も慈悲深く微笑みかけています。


タージマハル(インド)

タージマハル(インド)
  世界で一番美しいと呼ばれる建築物。ムガール帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが2万人もの職人を集め約20年間をかけて建築した自身の愛妃の死を悼んで建設した霊廟(れいびょう:死者の霊を祀る所)です。当時は複数の妃を持つことが普通であった時代に、王は一人の妃だけを愛し、そして妃が亡くなった後も再婚することもなく、死ぬまで妃と再会することを信じていたと言われています。そんな愛妻にために建てられたタージマハルは純白(白大理石)で、一途な思いを象徴しているかのようです。


姫路城(日本)

姫路城(日本)
 美しい白壁と空に向かって並ぶ天守閣は白鷺城(はくろじょう、しらさぎじょう)とも呼ばれています。国宝四城(姫路城・松本城・彦根城・犬山城)の一つでもあり、時代劇などでよくロケ地として使用されています。美しい外観とは裏腹に、中は侵入者を防ぐ構造や罠でまるで要塞のような造りになっています。
 徳川家康の孫娘千姫の物語や、宮本武蔵の妖怪退治、怪談のお菊井戸など様々な伝説や物語が残っています。日本独特な木造の建築物は、砂像でも特異な存在感があります。


万里の長城(中国)

万里の長城(中国)
  中国の歴代の王朝が北方遊牧民族の進入を防ぐために建造した巨大な要塞で、全長は約6,000km(日本の約2倍長さ)の世界最大の建築物。紀元前から明代まで約2,000年かけて造成を続け、それを始皇帝が繋ぎあわせ、現在の形になったと言われています。砂像の万里の長城は屋外に造られているので、鳥取砂丘とのコントラストを味わうことができます。


ライトアップされた「砂の美術館」

夜の「砂の美術館」はライトアップされ、昼間とは違った表情の砂像の世界遺産を楽しむことができます。(ライトアップは日没後)


サンドキャッスル〜おとぎの国のお城

 2009年度「鳥取自動車道」開通を記念して行われる「2009鳥取・因幡の祭典」のオープニングイベントでは、「世界の童話」をテーマとした「世界砂像フェスティバル」が開催されます。現在、鳥取駅前にはそのPR砂像が造られ、多くの観光客の目を惹いています。
 また、10月4日から10月31日にかけて、「街なか砂像」として鳥取市の太平線通りでもミニ砂像が展示され、鳥取・因幡は砂像一色に染まっていきます。


刹那の砂像

 砂像は天候などによりいとも簡単に崩れてしまいます。 同じ砂像でも、時間の経過と共に、違う表情に変化していきます。だからこそ、自然とともに風化する状況までもが一つの作品として成り立っているように感じます。
 「砂の美術館」、「街なか砂像」そして「世界砂像フェスティバル」。どの会場の砂像もそこでしか、そしてその時にしか見ることができません。是非、この機会に刹那の作品をご覧ください。



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  • 「砂の美術館-第2期展示−」世界遺産・アジア編〜アジアの風にのって〜
    期間:平成20年4月26日(土)〜平成21年1月3日(土)
    開館:午前9時00分〜午後9時00分(日没後館内ライトアップ)
    場所:鳥取砂丘情報館サンドパルとっとり隣接地
    "砂の彫刻"公開制作の決定!
    作品名:「西方への旅」
    期間:平成20年9月5日(金)〜9月15日(月)
    時間:9時00分〜12時00分 13時00分〜18時00分
    制作者:茶圓勝彦ほか

    作品名:姫路城
    期間:平成20年10月上旬〜10月中旬
    時間:10時00分〜12時00分 14時00分〜17時00分
    制作者:茶圓勝彦ほか
    幻想的な砂像イルミネーション!
    平成20年12月1日から平成21年1月3日までの間、通常のライトアップに加え、
    「鳥取砂丘イルミネーションVI」と連携したイルミネーションを用いた演出が行われます!
    第3期展示開催決定!
    第3期展示が決定しました!時期は2009年夏以降を予定してます!

  • 「街なか砂像」
    期間:平成20年10月4日(土)〜平成20年10月31日(金)[予定]
    場所:鳥取市駅前「太平線通り」[予定]
      
  • 2009鳥取・因幡の祭典オープニングイベント「世界砂像フェスティバル」
    期間:平成21年4月18日(土)〜平成21年5月31日(日)
    場所:鳥取砂丘オアシス広場
     
  • 2009鳥取・因幡の祭典オープニングイベント「世界砂像フェスティバル」PR砂像
    「サンドキャッスル〜おとぎの国のお城〜」
    期間:平成20年10月13日(月・祝)まで
    場所:鳥取駅前風紋広場

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